お酒はお飲みになりますか?
突然でしたが、飲酒が関係するコンプライアンス違反といえば、何といっても「飲酒運転」てすよね。
近年は罰則が強化されたこともあり、飲酒運転をする人は減っているように感じられがちですが、実際には減らないのが現状です。
例えば、酔っていないから大丈夫と軽い気持ちで運転して人身事故を起こせば、取り返しのつかないことになりかねないのです。また、飲酒した人だけではなく、周りの人も飲酒運転を黙認してしまうと罰則が科せられます。
基本的に飲酒運転はコンプライアンス違反。
「飲酒運転は絶対にしない・させない」という言葉がある通り、自身は勿論、周りの人も飲酒運転させないような環境作りが大切です。
ここからは、重大なコンプライアンス違反である「飲酒運転」をした場合、どんな処分が科せられるのかをお話していきます。
1.飲酒運転はコンプライアンス違反!科せられる処分・罰則は?
コンプライアンスの意味は「法令遵守」ですが、ただ法令を守れば良いという訳ではなく、会社の就業規則や社内規定、さらに「ヒトとしての常識」を守ることまで含まれ、何気なくやっていることがコンプライアンス違反になることもあります。
飲酒に関しても、普通に楽しくお酒を飲んでいる分には何の問題もありません。
しかし、人はお酒が入ると気持ちが大きくなって、コンプライアンスに違反してしまうことがありますよね。
例えば、ちょっとしたことで喧嘩をしたり、モノを壊したり、女性に絡んだりと、実際に1度は、加害者としてや、被害者としての経験がある方も多いのではないでしょうか?
その中でも、最も重大な飲酒によるコンプライアンス違反が「飲酒運転」です。
飲酒運転撲滅が叫ばれていますが、連日のようにテレビニュースで報道され一向に発生件数は減少しないのが現状。
警察庁の交通安全白書によると、平成29年中に全国で発生した飲酒運転事故による死者数は201人、交通事故死者数(3,694人)の5.44%(約18.4人に1人)と、ここ数年かは毎年同じような数値を推移しているのです。
その推移を表した表が以下の通り。
(引用:警視庁 飲酒死亡事故の推移)
飲酒運転に科せられる罰則
飲酒運転の罰則が強化されだしたのは、記憶に残っている方も多いと思いますが、平成18年8月に福岡県で起きた、飲酒運転で走行中、車に衝突。ぶつかった車に乗っていた幼児3人が死亡するという重大事故が発生したのがきっかけです。
現在では罰則が強化され、呼気に含まれるアルコール度数によって、以下の行政および刑事処分が下されます。
(引用:警視庁 みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」)
行政処分
◇酒酔い運転
「酒酔い」は、アルコールの影響によって車両等の正常な運転ができない状態をいう。
基礎点数:35点
免許取消し欠格期間:3年
◇酒気帯び運転
呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満
基礎点数:13点
免許停止期間:90日
呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上
基礎点数:25点
免許取消し欠格期間:2年
罰則
◇車両を運転した者
酒酔い運転をした場合
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転をした場合
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
◇車両を提供した者
(運転者が)酒酔い運転をした場合
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
(運転者が)酒気帯び運転をした場合
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
◇酒類を提供した者または同乗した者
(運転者が)酒酔い運転をした場合
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
(運転者が)酒気帯び運転をした場合
2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
以上のように、お酒を飲んで軽い気持ちで運転したり同乗したりすると運転した本人は勿論、同乗者まで処分されるのです。
また、人事事故を起こしてしまえば、被害者の方やその家族、さらに自分の家族にまで大きな影響を与えてしまうので、お酒を飲む場合は、車で出かけず、徒歩もしくは、公共交通機関の乗り物を利用するようにしましょう。
2.飲酒運転は絶対にしない・させない!が基本!
前項では、飲酒運転の行政処分や刑事罰則を説明しましたが、さらに、現在では企業などの組織では就業規則や社内規定によって飲酒運転に対する罰則を強化しています。
とある調査によると、飲酒運転で逮捕されてしまうと、約9割は「懲戒解雇」もしくは「諭旨解雇」といった重い処分が下れている調査結果も出ているのです。
そのため、軽い気持ちで飲酒運転してしまうと、行政・刑事処分を受けるだけでなく、社会的な制裁も受けることになってしまい、生活自体が出来なくなってしまう危険があるのです。
そうならないためには、「飲酒運転は絶対にしない・させない!」が基本!というか当たり前のことですよね。
飲酒する人は、飲み会がある日は公共交通機関を利用するほか、飲んでしまったときも代行サービスを利用するなどの心構えが必要。
また、飲酒した人の車に同乗するのも飲酒運転幇助の罪が化せられる危険があるので、飲酒した人が車を運転しようとしたときは、絶対に運転させないようにしなければなりません。
飲酒運転は、悪質なコンプライアンス違反として社会問題になっています。
一度でも飲酒運転をして死亡事故を起こしてしまうと、何もかも失うことになってしまうので、「飲酒運転は絶対にしない・させない!」は常に頭の中に入れておきましょう。
3.まとめ
飲酒が絡むコンプライアンス違反は数多く発生していますが、中でも最も悪質なコンプライアンス違反が「飲酒運転」です。
連日のように夕方のテレビニュースでは「今日は何人検挙されました」というような報道が流されていますよね。
ご紹介した通り、ちょっとした気の緩みで飲酒運転してしまうと、取り返しのつかないことになりかねません。
お酒を飲んだら運転しない、また、飲んで運転しようとしている人がいたら運転させないようにしなければなれません。
飲酒運転は自分の意志でしないのは当然ですが、周りの人も飲酒したら運転させないような一人ひとりの意識が大切ですよね。